赤旗配布の高裁判決に思う なぜ公務員は政治活動を制限されるのか(産経新聞)

 【安藤慶太が斬る】

 先週26日に東京高裁で少し意外な判決が出た。元社会保険庁職員が衆院選を控えた平成15年、共産党機関紙「しんぶん赤旗」を都内のマンションで配布したとして国家公務員法違反に問われた事件について、同高裁が、1審の有罪判決を破棄し、逆転無罪を言い渡したのだ。

 最近、裁判を眺めていると「?」という判決にしばしば出くわす。この判決に限った話ではない。裁判という場は民事刑事問わず、左翼系市民団体の闘争の舞台になっている。裁判を起こす権利は国民に与えられているのだが、彼らはそれを最大限に使う。何度負けても類似構造の訴訟を繰り返し起こし、世論の取り込みを図る。それが繰り返されるうちに、聞き分けのよい裁判官が現れ、今までにない判決を書く。その裁判官は耳目をひき、メディアの拍手喝采を浴びるという光景が繰り返されるのである。

 ■拍手喝采

 今回の事件をメディアはどう報じたか。各紙の社説などの見出しで拾ってみてみよう。

 「『赤旗』配布無罪−時代に沿う当然の判断だ」(3月30日朝日新聞)

 「公務員ビラ無罪 注目すべき問題提起だ」(3月30日毎日新聞)

 「ビラ配布無罪 言論封殺の捜査にクギ」(3月31日中日新聞)

 「政党紙配布無罪 時代の変化に沿う判断だ」(3月31日西日本新聞)

 「公務員と政治 むやみな規制許されぬ」(北海道新聞3月30日)

 産経は判決に疑義を呈したが他紙はざっとこんな感じの拍手喝采ぶりである。事件は微罪である、公務員の政治活動を禁じる規定自体が時代に反する、時代は変わった、むやみな規制は許されないといった讃辞が並んでいるのだが、果たしてそれで良いのだろうか。

 ■公務員は守られている

 私自身が以前、取材した事件の話をする。かつて東京都足立区内の中学校に通っていた女子生徒の母親が、娘の習っている社会科の授業内容に疑問を抱き、教育委員会に照会したことがあった。そのことを知ったこの社会科教師はその後の授業でこの母親を中傷するプリントを配布した。教師の心ない行為にショックを受けた女子生徒はその後、不登校に陥り、母親がこの教師を相手取って名誉棄損訴訟を起こした。

 1審判決はこの教師に名誉棄損が成立し、賠償命令が出た。ところが2審東京高裁は国家賠償法を適用、事実審理なしで、この母親の訴えを退けたのだった。

 公務員の行為が招いた損害の賠償責任は任命権者が負うというのが国家賠償法の考えだ。つまりこの事件の場合、任命権者は東京都になる。賠償責任を負うのであればそれは東京都が負うべきであって、この教師個人に負わすことはできない、端的に言えば、母親は請求先を間違えている、訴えるなら東京都を訴えなさいということを意味する判決だったのだ。

 しかし、母親には東京都に対して被害感情が全くなかった。請求が認められなかった母親が無念そうに漏らした言葉が私には今も忘れられない。それは「公務員って守られているんですね」というものだった。

 ■なぜ公務員は守られるのか

 裁判所が出すその後の判決などを見ると、例えば国立大学での大学教授のセクハラ裁判などで公務員本人に個人賠償を負わせる判決なども出されている。この事件で痛感したのと同様、何もかも任命権者に賠償責任があるという論理も理不尽な場合があるに違いない。

 それはともかく、公務員は立場的に身分が守られていることは確かである。それは、管理職であれ一般職員であれ、公務員は公のために奉仕するという義務を一様に負っていて、その裏返しに身分を守る“特権”が与えられているのだろうと理解する。だから彼らは自らの職務の公益性を踏まえながら、服務規定に従って職務に全力であたらなければならないし、それは公務員の地位や職級にかかわらない話だと考える。

 教育公務員を例に考えてると、「先生」という使命は、授業時間中、勤務時間中だけに負えばいいというものではない。先生が年休を取っていようが、街で生徒とすれ違おうが、極端にいえば、卒業した生徒の一生に渡って「先生」であり続けるのである。

 かつて、学校管理職がテレクラの経営に参画していたとして刑事事件になったことがあった。裁判官でも似たような事件があったような気がする。教師も裁判官も人間である以上、金銭欲もあれば、性欲もある。過ちも失敗もあるだろう。そのことは否定はしない。だが、公務員には、昼夜、公私の別なく自分の与えられた使命を自覚していて欲しいと国民は願っているはずである。

 仮にこの学校管理職が休日の私的な出来事としてテレクラ経営に関わっていたらどうか。世の中が許すはずはないだろう。休日や勤務時間外に飲酒運転をしたのが公務員なら、それは一般国民のそれよりも厳しく指弾される。これらはすべて同じ論理で貫かれている。繰り返しになるが、公務員はそれぞれの立場ごとに崇高な使命を公私分け隔てなく負っているからであって身を律していかなければならないことが期待されているからだと理解している。

 公務員の政治活動がなぜ厳しく制限されているか。それは公務員の政治活動によって行政の中立性を脅かす恐れがあるからであり、国民に行政への疑念を生じさせるからだろう。

 今回の高裁判決は、公務員の政治活動を制限した国家公務員法そのものについてはこれを合憲と判断したが、(1)被告は管理職ではない(2)休日の私的な行為で、公務員であることを明らかにしていない−などを理由に、機関紙を郵便受けに配った行為まで罰するのは表現の自由を保障した憲法に違反すると判断した。

 判決はこう述べている。

「本件配布行為は、その態様などや国民の法意識に照らせば、本法および本規制の規制目的である国の行政の中立的運営およびそれに対する国民の信頼の確保という保護法益を抽象的にも侵害するものとは常識的に考えられず…」

 まずこれが私には甘い認識だと思えてならない。たとえ、結果として素性を悟られずに、赤旗をマンションに配布し終えたとしても、それは誰が見ているか、わからないではないか。見つからなかったから許される話でないのは当然だが、見つかった結果、直ちに行政の中立的運営を侵害する結果を招かなかったから、許される話でもない。「何かこのごろ、赤旗が配られているでしょ、あれ公務員の人が配っているらしいよ」といった小さな風評が立つこと自体、行政の中立性や信頼を損なう恐れの十分にある行為と考える。

 ■赤旗配布は「表現」か?

 赤旗の配布を表現の自由と考える判断についても述べたい。まず初めに表現の自由が大事な考えだと断っておく。

 そのうえで、ではこの公務員が赤旗をお忍び同然でこっそりポスティングする行為が果たして「表現活動」なのか。百歩譲ってこれが公務員が政治的意見を表明するという「表現活動」だとしても、本人は身分を隠してやっていると判決は一方で認めている。ならば、それが果たしてどれほどの「表現活動」なのか私は正直理解できない。選挙権や被選挙権を取り上げてしまうような理不尽をこの公務員に背負わせたならそれはひどい話だが、この手の行為に「表現の自由」を免罪符に持ち出すのはいささか、「?」である。これでは何でも許されてしまうのではなかろうか。

 ■冷戦は終わったのか

 政治的行為を制限している是非を、冷戦の崩壊などで軽々に判断すべき問題でもない。

 判決はこう述べている。

 「そして国民の法意識は、時代の進展や政治的、社会的状況の変動によって変容してくるものである。猿払事件判決当時は国際的には冷戦構造下にあり、世界的な思想対立を背景として、わが国の基本的な政治体制や経済体制のあり方についても社会的意見の不一致がみられ、様々な事象にイデオロギー対立的な視点を持ち込み、一部には暴力的ないし非合法的な手段を用いて自己の見解の実現を図る勢力が存在するなど、社会情勢が不安定な状況にあった」

 「国民はいまだ戦前からの意識をひきずり、公務員すなわち『官』をことさらに『お上』視して『官』を『民』よりも上にとらえ、…しかし、猿払事件判決以降、今日までわが国において、民主主義はより成熟して、着実に根付き…国際的にも冷戦は終息し、左右のイデオロギー対立という状況も相当程度、落ち着いたものとなった。加えて、政治的、経済的、社会的なあらゆる場面においてグローバル化がすすみ、何事も世界標準といった視点から見る必要がある時代となってきていることも国民は強く認識している」

 本当にそうだろうか。

 社会保険庁に限らず、官庁には、ありとあらゆる個人情報が転がっているはずである。職員が特定の政党に所属していたとして、そうした情報に日常的に接することができる立場だとして、たとえば秘密裏に党派的な利害や党の指示で情報が持ち出されたらどうなるだろう。それが明るみに出たら、国民の行政への信用を揺るがしかねない一大事だろう。

 公務員は政党への勧誘などを制限されているが自分自身の加入まで禁じられてはいない。思想信条の自由があるからである。加入まで禁じることができないならば、職務上の義務としてそうしたことを公にしたり、公になりうる行為は厳に慎むべきである。みだりに知られると、行政の中立性に疑念を抱かれてしまうからだ。

 裁判官が仮に共産党員だとわかってしまったら、その裁判官の裁判を受けたくない、公正な裁判ではないと言いたい被告人はいるはずだし、それは自民党員でも創価学会信者でもオウム真理教信者でも同様に起こりうる話だ。行政窓口の役人が実は民主党員だったら「自分の個人情報は大丈夫か」「手続きを公正に進めてくれるか」などと疑念を抱く住民だっているだろう。やはり、政治的行為を制限されることに合理性はある。最近の事案を見れば一目瞭然のように、一方で刑事罰を負わさなければ、こうした行政の中立性が保てないほど、ひどい実態だと考えさせられる場面もある。

 この判決はそうしたことを「時代」というきわめて軽い言葉で片づけていないだろうか。特に冷戦の終息などに伴って国民の法意識や公務に対する意識が変わり、公務員の政治的行為にも許容的になってきたとしている点は、合点がいかない点である。

 私には冷戦が終わっても、北朝鮮や中国など周辺国の悪意はむしろ強まっていると思えてならないし、最近のトヨタのリコール問題や、次々と世界標準として日本に要求が突きつけられる光景を眺めていると、米国の悪意を感じることすらある。冷戦が終わったから日本国内の冷戦構造が終わったか。そんなことはない。日教組は相変わらずだし、至る所に55年体制は残ったままだ。米国の持ち込んだ世界標準なるものが日本人や日本国を幸せにしたかどうかは国益という観点でこれからしっかりと考えていかなければならない課題だと思っている。

 ■虚構にお墨付きを与える裁判所

 55年体制の構図が今も最もだらしなく残る国家機関、そのひとつが裁判所だと思っている。弁護士VS当局(検事)という構図の話だけではない。慰安婦、南京事件、教科書、戦後補償、靖国参拝、憲法、原子力発電、自衛隊、在日韓国人の地方参政権、国旗国歌…。ありとあらゆる左翼的な党派利害や運動体の要求が次々持ち込まれてイデオロギーを背景にした裁判闘争が日夜繰り広げられる舞台でもある。裁判官も彼らにしゃべるだけしゃべらせており、彼らにとっては議席をとれなくても主張が許される絶好の場である。負けても負けても何度も同一構造、類似構造の訴訟が繰り返される。そして、やがて要求を通しお墨付きを与える裁判官が現れるのである。

 南京大虐殺も教科書検定批判もそうだった。国旗国歌訴訟などは現在進行形で、最近では永住外国人に対する参政権もそうだった。戦後の多くの虚構にお墨付きを与えたのは裁判所だったことを裁判官自身、どれだけ自覚しているのだろう。

(安藤慶太・社会部専門職)

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 地検は、両者の過失が競合して事故が起きたと判断した。略式起訴とした理由については「同種事案を検討した結果」と説明した。
 起訴状によると、宮山校長は、屋上で授業をする際には、児童を天窓に近づかせないよう同校の教諭を指導監督する義務を怠ったとされる。
 塩田教諭は、屋上での授業の際、児童が天窓に近づかないよう注意したり、制止したりする義務を怠ったとされる。 

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 政府は26日、2010年度予算に盛り込んだ予備費など2兆円を活用した追加経済対策の検討に入った。菅直人副総理兼財務相が閣議後の記者会見で「予備費はもともと経済活性化のためなので、具体化を進めていきたい」と表明した。学校の耐震化や介護施設の充実などに使う案が浮上している。
 追加対策に充てるのは経済危機対応・地域活性化予備費(1兆円)と非特定国庫債務負担行為(同)の計2兆円。同日発表された2月の消費者物価指数が12カ月連続のマイナスとなったことから、菅財務相は「デフレ脱却に向けてさらなる努力が必要だ」と強調した。 

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 大会には、約650人(主催者発表)が参加。
島袋俊夫うるま市長は公務で不参加だったが、「勝連沖埋め立て案は、市の巨大軍事都市化につながりかねず、到底容認できない」などとするメッセージを寄せた。 

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 神奈川県の不正経理問題で、架空発注で業者にプールした預け金などで、電動自転車や腰痛の人用のイス、私物プリンターのトナーを購入していたことが17日、県の調査でわかった。

 県は、いずれも業務に必要だったとしている。

 県会計局などによると、電動自転車は2008年9月、税務課が預け金から約122万円を使って16台(1台約7万6000円)購入し、16の県税事務所に1台ずつ配った。「滞納している税の督促のため、企業回りなどに使っている」(税務課)という。

 腰痛の人用のいすは06年12月、当時の政策課が名目以外の物品を納入させる「差し替え」で、腰痛持ちの職員のために1台(3万6330円)購入。「業務に支障が出るほど腰痛が悪化し、やむを得なかった」(政策総務課)という。

 トナー(約2万1000円)は、県立武道館(横浜市港北区)に勤務していた男性職員が03年11月、事務所に置いていた私物のプリンターに使うため、差し替えで購入。県教委は「業務用に利用した」としている。

 一方、県議会の主要4会派は、不正経理の再発防止策について、調査・提案する特別委員会を設置する方針を決めた。24日の本会議に設置案を提出し、可決される見通し。

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 15日午前11時10分ごろ、京都市伏見区向島大黒の宇治川左岸河川敷で、野焼きの炎が燃え広がり、約1時間半後鎮火するまでに下草など約8ヘクタールが焼けた。人的被害はなかった。火災の煙で視界が妨げられ、国道1号が伏見区と久御山町間で約3キロにわたり約1時間、通行止めとなった。

 京都市消防局や国土交通省淀川河川事務所によると、京都市の男性が許可を得て、伝統工芸に使うヨシを刈った跡に点火したところ火勢が強まった。

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 社民党の重野安正、国民新党の自見庄三郎両幹事長は15日、国会内で民主党の高嶋良充筆頭副幹事長に、連立与党間の政策調整システムを確立するよう申し入れた。政府への政策決定一元化を掲げる民主党に対し、社国両党内に「(両党の)意見が十分反映されていない」との不満が高まっているのを受けた要請だが、高嶋氏は「役員会で報告する」と引き取るにとどめた。

 社国両党は、政策責任者レベルの会合や、幹事長級会談の定例化などを求めた。また、子ども手当法案や高校無償化法案で、民主党が社国両党を飛び越えて公明党との修正協議に踏み切ったことに関し、重野氏は「連立の意思一致をした上で野党と協議するのが順序だ」とけん制した。【西田進一郎】

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「被害者の恐怖や痛みを味わい死んでほしい」涙声で極刑を求める証人(産経新聞)

 【法廷ライブ 秋葉原殺傷 第4回公判】(4)

 《検察官に問われ、悲惨な事件への思いを口にし始めた被害者のCさん。しばらくすると、声を詰まらせ始めた。途切れ途切れになるCさんの声。とうとうCさんの声が止まり、一時的に法廷内には沈黙が続く。弁護人席前の長いすに座った加藤智大被告(27)は、背中を丸め、証人と目を合わせないように下を向いている》

 検察官「今、目頭を押さえているのですか」

 証人「大丈夫です」

 《傍聴席からは、遮蔽(しゃへい)用のカーテンで囲われてみえないが、Cさんは涙声で鼻水をすすったようだ。この事件で、Aさんと川口隆裕さん=当時(19)=の友人2人を失った当時の状況を思いだし、感情が抑えきれなくなったようだ》

 証人「こういうことはもう起こらないでほしいと思います」

 《思いを絞り出すように話すCさんの姿を見て、村山浩昭裁判長も口を真一文字に結び、厳しい表情を見せる。加藤被告は、おもむろに黒いペンを手に取ると、机に置かれた紙にメモをとり、指で鼻をかいた》

 検察官「今回、証人の話を聞いたとき、『Aさんと川口さんに会いたい』といっていましたね?」

 証人「はい。A君とは同じ大学で帰り道も同じだったので、プライベートや飼っているペットの話もしてもらいました。夏休みの旅行の計画も立てていたので、旅行にも行きたいです」

 検察官「川口さんと会えたら何がしたいですか」

 証人「対戦ゲームをやり合えたら、決着をつけたいです」

 《Cさんの声は消え入りそうになっている》

 検察官「被告から手紙が来ましたね?」

 証人「はい」

 検察官「読みましたか」

 証人「はい」

 検察官「どう思いましたか」

 証人「反省の意をくみ取ろうと思って読んだわけでもなく、なんでこんな事件が起きたか少しでもわかるかと思って読んだのですが、わかりませんでした」

 検察官「被告人に対してどんな気持ちですか」

 証人「死刑は絶対だと思います。誰でもよかったというのは許せないし、死刑だとしてもA君や川口君が味わった恐怖や痛みを味わって死んでいってほしいと思います」

 《Cさんの偽らざる憤りの気持ちを引き出したところで、検察側は質問を終えた。加藤被告はここでも、ペンを手にとってメモを始めた。続いて弁護側の質問に移り、女性弁護人が立ち上がって、その場で質問を始めた》

 弁護人「交差点の真ん中あたりでトラックに気づいたといっていましたが、どんな風に走っていましたか」

 証人「蛇行していたような記憶があります。自分がみたときは、自分たちからみてこういうコースを…」

 《言葉で説明するのが難しいようで、Cさんは、蛇行して走っていたとするトラックについて、身ぶり手ぶりを使って説明しているようだ》

 裁判長「右にふくらむような感じということですか」

 証人「蛇行していたみたいな…」

 裁判長「トラックも外側にふくらむような様子があったということですか」

 証人「はい」

 弁護人「トラックが走ってきたときにエンジン音がしたということでしたが、どんな音でしたか」

 証人「ゴーっというかドーっというか…」

 弁護人「交差点の中にいた人が声を発したことはありましたか」

 証人「記憶にありません」

 弁護人「あなたが前に飛ぶような感じで逃げたということでしたが、トラックがあなたのどの部分に当たりましたか」

 証人「右の腰の部分です」

 弁護人「トラックは、あなたとBさんとどちらが先にぶつかりましたか」

 証人「B君です」

 弁護人「『ナイフを持っている人がいる』という声が聞こえたといっていましたが、ナイフを持った人を見ましたか」

 証人「見ていません」

 弁護人「先ほど、被告の手紙を読んだとのことでしたが、あなた自身で想像して、どうしてこんな事件を起こしてしまったと思いますか」

 証人「特にないです」

 《Cさんは少し考えた上で、素っ気ない返答を返した。続いて、男性弁護人が立ち上がった》

 弁護人「あなたの後ろをトラックがすぎたときに、友達がはねられた音は聞きましたか」

 証人「聞いた記憶がありません」

 弁護人「そのあと、トラックはどう動いていましたか」

 証人「覚えていません」

 弁護人「(被告人に)やっぱり反省してほしい思いはありますか」

 証人「まあ、どちらかといえばそうかもしれませんが、反省したからそれで何になるっていうと…」

 弁護人「なぜ事件を犯したのかを知りたい気持ちは変わっていませんか」

 証人「まあ、経緯というかなぜ事件を起こしてしまったのかということをですね」

 《弁護側は、簡潔に反対尋問を終えた。村山裁判長が「他にございますか」と尋ねる。検察官、弁護人とも、頭を左右に振った》

 裁判長「それでは、終わりました。証人、お疲れ様でした。証人に退廷してもらいますので、壁を…」

 《退廷の順路を見えなくするため、白い蛇腹の仕切りが引き延ばされた。準備の間、村山裁判長は、Cさんが法廷で書き込みを行った図面や写真を、調書に添付することについて、検察官と弁護人に確認を求めた》

 裁判長「では証人、お疲れさまでした」

 《Cさんが退廷し、仕切りが取り外された。加藤被告は右手にペンを握りしめたままうつむき、身じろぎもしない》

 裁判長「このあとも証拠調べを予定していますが、休廷を入れたいと思います。午後3時に再開して、次の方の調書を調べて、尋問を行います」

 《裁判長が休廷を告げると、傍聴人も一斉に立ち上がった。加藤被告も立ち上がり、腰縄と手錠をはめられる。うつむき加減のまま、傍聴席に一礼。そのまま退廷していった》

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 鳩山首相は6日午後、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題が5月末までに決着しない場合、退陣を求める声が自民党から出ていることに関連し、「一つ一つの政策の実現に向けては覚悟を持って臨む。当たり前の話だ」と語った。

 首相は退陣するかどうかは明言しなかったが、退陣要求を受けて「覚悟」を示したことで、5月末までに決着しなければ窮地に追い込まれることになりそうだ。

 この問題では、自民党の大島幹事長が6日午前、那覇市での党沖縄県連大会で、「移設先と沖縄県民、米国の了解を得る三つの方程式を解くのはかなり困難だ。それを作ってきたのは鳩山政権だ。だから、(解決)できなかったら即刻退陣してもらおう」と述べ、5月末までに決着しなかった場合の退陣を求めた。

 これを受け、首相は視察先の東京都大田区で記者団に、「その覚悟があるか」と問われ、「国民への約束を守るために全力を尽くすのが新政権の基本的な方針だ。以前の内閣では、公約は守らなくても大したことはないと言った。そういう政治が国民に鉄槌(てっつい)を食らわされた」と5月決着に全力を尽くす姿勢を強調したうえで、「覚悟を持って臨む」と語った。

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 《引き続き、検察官は加藤智大被告にナイフで刺され、下半身に重い障害が残った被害者、Hさんの供述調書を読み上げる。検察官の太い声が法廷に響きわたる中、加藤被告は固い表情のまま聞き入っている》

  [図解]秋葉原駅前、事件当日の動きは…

 検察官「(犯人の行動は)自分勝手で自己中心的で腹が立って許せません。とりあえず、仕事があって家があって、それなりの生活ができて、明日食べるのに困るようなことはなかったのに、どうして自分だけ不遇だと思ったのか」

 「私は今も下半身がまひしています。犯人に殺された方を思うと、命を奪われなくてよかったと思います。当たり前なのに、生きていてよかったと思います」

 「なるべくプラス思考でいこうと思っています。犯人を憎んで、私が嘆けば体が回復するのなら、私は憎み、嘆きます。しかし…」

 《「犯人のことを考え、憎むのは無駄でしかない」。Hさんはそう繰り返した。加藤被告は背中を丸めたまま、うつむき加減で聞き入っている。表情にほとんど変化はみられない》

 検察官「私はもし、(身体が)良くなったとしても犯人がいるような世の中では、一生気持ちが安らぐことはありません」

 「私が何も言わなくても犯人はもちろん死刑になると思います。ならないとおかしいと思います。そうでなければ、同じような事件が起き、私のような目に遭う人が増えるだけです」

 《Hさんの供述調書は、厳刑を望む言葉で締めくくられていた》

 裁判長「それでは、引き続いて証人尋問を行います。入廷の準備をお願いします。被告は(座っている)位置をずらして…」

 《法廷に入るHさんが傍聴席から見えないよう、遮蔽(しゃへい)措置の準備をうながす村山浩昭裁判長。着席する位置を少しずらすよう促すと、加藤被告はうなずきながら立ち上がり、座る位置をずらした》

 裁判長「椅子(いす)におかけください。それでは証人に少しお尋ねすることになりました。まず宣誓の文を読み上げてください」

 証人「はい。良心に従って真実を述べ…」

 《宣誓文を読み上げるHさん。事件の被害に遭い、身体に重い障害を負っている》

 裁判長「この裁判では、あなたを『Hさん』とお呼びしております。身体の関係など、不都合なことがあればいつでもおっしゃってください。それでは…」

 《男性の検察官が立ち上がり、証人尋問を始める》

 検察官「よくお越しくださいました。今日はどのように裁判所にいらしたのですか」

 証人「電車に乗るのが無理なので。検察の方に車で連れてきてもらいました」

 検察官「電車では、どのような不都合があるのですか」

 証人「身体が不自由なので、満員電車に乗ることはできません。また、常にオムツをしているので、蒸れたり、においを気にすると、乗ることができません」

 検察官「先ほど入廷されるところを見ていると、足を引きずって、つえを使っていらっしゃるようでしたが。お体は…」

 証人「下半身、左足なのですが、足首が動きません。歩くときダランとなってしまうので装具をつける必要があります。触ったときの感覚はなく、しびれた状態です。また右足のひざから下、お尻全体、前の方にもしびれがあります」

 検察官「それは、事件で負ったけがが原因ですか」

 証人「そうです」

 検察官「長時間座ると、辛いですか」

 証人「何かに集中していると紛れることもあるのですが…。急にしびれが来たりすることがあります」

 検察官「左足の方がよくないのですか」

 証人「脊髄(せきずい)の一部が切れて。左足首が動かず、感覚がありません」

 検察官「右足も良くないのですか」

 証人「右足も最近骨折して入院していました」

 検察官「骨折したのはなぜですか」

 証人「昨年末、自宅で足が引っかかってしまいました。足の付け根、腰の所を骨折しました」

 《公判前、地裁からは車いすを使っているという説明があったHさん。傍聴席からは見えないが、入廷時にはつえを使っていたようだ。加藤被告は遮蔽のカーテン越しに、うつむいたまま。手をひざにつき、表情に変化はない》

 検察官「昨年末は車いすを使っていましたか」

 証人「使っていません。いわゆるT字のつえを使っていました」

 検察官「つえがないと、歩行は辛いですか」

 証人「外出するときに辛いです」

 検察官「事件当日のことを聞いていきたいと思います。目撃の状況と被害の状況についてです。事件を見た状況は覚えていますか」

 証人「はい。覚えています」

 検察官「あなたは現場の交差点を横断していましたね」

 証人「はい」

 検察官「中央通りはすでに歩行者天国になっていましたか」

 証人「はい。なっていました…」

 《ゆっくりとした口調でHさんへの質問を続ける検察官。加藤被告は表情を変えずに、耳を傾けていた》

=(7)に続く

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